施工前提条件
施工タイミング
床の施工タイミングは他の内装工事(ペイント,天井や壁のクロス工事)が終った後になります。
施工資材チェック
- ●タイル:色相,サイズ,ロット,光沢,数量
- ●接着剤:種類,製造会社,必要量
- ●充填材:種類,製造会社,必要量(必要に応じて)
施工場所温度
タイルと接着剤は施工の48時間前から一定温度(常温20℃前後)に仮置きし、施工するのが望ましい。
冬場に施工する場合、温度の変化にご注意ください。 室温が5℃以下の施工は避けて下さい。
床の湿気
床の湿気が気になる場合、ビニールを床に密着し24時間後に状態を確認する方法があります。
室内空気循環
常温でかつ一定温度を保つため、部屋の隅々まで室内空気を循環させて下さい。
施工手順
- 1.接着剤,カッター,巻尺,直線尺,ヘラ等,必要なものを施工前に準備します。
- 2.箱を開ける前に、施工するタイルが同一ロットか確認し、同一ロットでない場合は、色相と表面エンボス及び光沢状態が同一であることを確認します。
- 3.施工する場所の、横中心線と縦中心線を作図法によって作図し中心を決めます。
- 4.接着剤塗布する時は、注意事項を必ず読んで下さい。
- 5.床にヘラで接着剤を薄くならしてつけます。 塗布後20~30分ほど経過後タイルをつけます。タイルを貼るタイミングは接着剤の種類と室内温度及び湿度によって変わります。
- 6.ウレタン接着剤,エポキシ接着剤は、引火性がある為、施工中の火気は厳禁です。
- 7.タイル表面に付いた接着剤は、硬くなる前に除去して下さい。
接着剤を塗布する時の注意事項
- ●床が施工条件に当てはまるか確認してください。
- ●床表面のほこりを除去し、平坦で清潔な状態にして下さい。
- ●床に湿気がないことを確認して下さい。
- ●接着剤を塗布するヘラは規格品(新品)を使用して下さい。ヘラが広すぎると塗布の面積が広くなりすぎるため、表面が凸凹になり均一に塗布できない可能性があります。ご注意下さい。2回塗布はお勧めしません。
- ●タイル施工後はローラーを使用して前面を均等に圧着します。2時間ほど過ぎて、もう一度ローリングします。但しエポキシ系接着剤(耐水性の接着剤)はローリング不要です。
- ●すき間から出て来る接着材は硬くなる前に除去します。アクリル系の接着材はきれいな布に中性洗剤をつけて除去して下さい。ウレタン系の接着剤はアルコール類で拭き取って下さい。
施工直後の管理
- ●タイル施工後接着性を良くする為、24時間以内は歩行しないで下さい。又、家具などを置くことも控えて下さい。
- ●施工後3日間は水での掃除を控えて下さい。3日後でも掃除をする際、水気が隙間に入ることがないようにして下さい。
- ●床を完全に綺麗な状態にして、少量のワックスを均等に塗布すれば、より保護できます。ワックスがけ後は、完全に乾くまで床の上を歩くことを避けて下さい。
- ●ワックスを2回目塗布する時は、1回目の塗布方向に対して直角方向に塗布下さい。
定期管理
- ●床に汚れやほこりなどがあると傷が付く可能性がありますので、日頃から掃除をこまめにして下さい。
- ●液体をこぼした時には清潔な雑巾で拭き取って下さい。場合によっては中性洗剤で拭き取って下さい。
- ●ほこり,砂,その他の汚れは除去し、歩行量が少ない場所は6ヶ月に一回程度、多い場合は2~3ヶ月に一回程度、ワックス・コーティングをお勧めします。
施工できない場所
- ●タイルやクッションフロアが敷いてある床。(上に重ねて貼ると、タイルの目地が表面に浮いて出てきたりします。またタイルやクッションフロアが剥がれてしまいそうな上に貼るとさらに接着剤の引っ張りで剥がれ易くなります。)
- ●アスファルトの表面及びアスファルト接着剤が塗布されている床。
- ●雨が吹き込む外部の床(通路・階段・バルコニー),砂地の上。
- ●セメントがまだ充分乾いてない床、粉と砂が残っている床。
- ●隙間がある木の床、十分固定されていない木の下地。
- ●水気を出す床。
- ●床を平らにできない場所。
既存床を剥がして張り替える場合
- ●プラスチック床仕上げの場合、剥がした仕上げ材の糊跡(接着剤)をケレン作業で取り除く。
- ●塗床仕上げの場合、下地(ウレタン系)の溶剤などが残っていれば床研磨機などで完全に除去することが望ましい。
- ●フローリング仕上げの場合、フローリングを撤去し、留め金具を除去するか完全に潰し平滑にする。
- ●カーペット仕上げの場合、グリッパーがあれば撤去し、下地のひび割れなどは下地調整材で平滑にする。
既存床に重ね貼りをする場合
- ●塗床が下地(セメント系)の場合、部分的な浮き、欠落、クラックをケレンし仕上げ剤やパテなどで完全に補修する。場合によっては全面を仕上げ剤にて補修することが望ましい。
- ●フローリングを下地とする場合、既存のフローリングの反り、継ぎ目などが浮いてこないようにするため12mm以上の合板を上から打ちつけ下地にする。
- ●石材,セラミックタイルなどが下地の場合、セメント系の調整剤を全面塗布し、ひび割れしない厚みに下地を調整する。
- ●古いコンクリート、モルタル下地の場合、不陸調整及び、クラック、浮き等をセメント系調整剤で全面補修する。
その他 注意事項
- ●水、砂、紫外線、重量物、汚染物質、漂白剤などにより、床材自体の変質・変退色や施工後の反り膨れ・剥がれ・目地隙などがおこる場合があります。維持管理にご注意ください。
- ●長時間の直射日光による変退色、長期間使用しない室内での結露によるカビや異臭の発生、床材の剥がれ反り・膨れ・突上げの可能性があります。カーテンやブラインド等による日よけや換気を心がけてください。
- ●熱によって変退色、溶融する可能性があります。たばこや車輪の摩擦熱、火花の飛び散りなどは避けてください。温風ヒーターやストーブの温風や熱が直接タイル表面に当たることを避けてください。